Atsuko's mind
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画家&母の活動のご紹介と日々の想いを綴っています。*本ブログの無断引用、転載は著作権法違反です。
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コロナ自粛の日々に
息子の小学校は、先週始まり、そして、またすぐに休校になりました。
新しい教科書はピカピカで、優しさとか温かさとか正しさに満ち満ちて、平和の息吹でいっぱい。時間割や宿題をさせていると、元の日常に戻れたような錯覚が何度も起きました。世の中、何事もなかったか、大したことなく過ぎ去ったような気がしてくるのです。その立ち位置に、自分を持って行こうとする力が、自分の中に起きていることを、もう一人の自分が見
新しい教科書はピカピカで、優しさとか温かさとか正しさに満ち満ちて、平和の息吹でいっぱい。時間割や宿題をさせていると、元の日常に戻れたような錯覚が何度も起きました。世の中、何事もなかったか、大したことなく過ぎ去ったような気がしてくるのです。その立ち位置に、自分を持って行こうとする力が、自分の中に起きていることを、もう一人の自分が見ながら思いました。緊張感が解ける感覚は実に心地良く、このまま引っ張られたい、引っ張られたっていいよという気持ちになるのですが、つまり、これが正常性バイアスというものかなと。現実の不安からうまく逃れようとする脳の働きの一つなのでしょう。壊れないための素晴らしい能力。でも、今は、その力をしっかりと監視です。
学校が始まっても行かせる不安が大きく、いつ自主休校にしようかと毎日悩んでもいたので、休校を決めていただけてホッとしました。しかし、一方で、息子が登校している間に溜まった事務的な用事を猛ダッシュだったけど終えることができた。これも安心な日常のための大事な用事だから、学校に行ってもらえて助かったと思う自分がいます。
頭の中、良し悪しの物差しが入り混じり合っている。スッキリさせて理解したい思いが湧いてくるけど、今はそこも監視です。
待った無しの現実、つじつまが合わないことも、そのまま受け止めて進む。
新聞で、カミュの「ペスト」が、今、流行っているとありました。名著を取り上げる番組で特集されたのは二年前だというのに「もし、僕がペストが蔓延している街にいたら?感染の危機があったら?という話ばかりしているのに、自分が感染させる側や見殺しにされる側にいる可能性の方をどかんと突きつけられます…」とのコメント。
興味深いのは、ペストは何かという問いかけです。
カミュはペストは自分の内にあると語り、見たくない現実と向き合うこと、その先に生まれる行動力について描いています。
そして、同じ新聞の論説に「「打ち克つ」べきものがあるとすれば、人間の醜い部分ではないか」という言葉が目にとまりました。
別の番組で、このパンデミックを予言していた学者が、オプティミズムではなくボジティビズムが大事で、ボジティビズムは行動を伴うものだとも語っていました。
数々の、同じような意味を持つ言葉に出会うこの頃。
自分に勝ちたいという思いで、この困難に挑もうと、心新たにします。
今日は、とても爽やかな穏やかな春の日和でした。
やはり、何も起きていないような思いになりました。
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エッセー/日々と心の記録
2020-04-14T18:54:09+09:00
Atuko Miyazato
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