暗い時に辻仁成

また一山越えたかな。

ちょっとずつ上向きなこのごろ。


いろいろあります。

でも、越えると、その度に気分がヨイね~。



ところで、

低迷、混乱したときにどうするか。



いろいろ方法はあるけど、読書もイイ。


辻仁成の小説ってドロドロと暗いけど、なんだかイイ。

暗い時に暗いものって変だけど、この暗さがなんだか不思議な力がある。没頭して、低迷を味わい尽くすうちに、自分のことが小説の世界にスルリ転化されていて、そのうち自分の中にムクリとエネルギーが生まれて、それがまったく種も撒いていないような部分からだったりする。芸術とはそんな魔力があるものなのだろう。

その後、不思議に確信めいたアップを刻んでいってる自分が居るのです。それは、まだまだ危うく不安定な一歩一歩だとしても、借り物でなく本物で、小さくても誤摩化しのない、真なるもだと感じて、なんだか清々しい快感を含んでいるのです。



ところで、彼の作品の中には、ちょいちょい絵に関することが出て来る。よく知らないけれど、彼がとても絵を好きなんだろうなって思う。今回もおもしろい箇所があったので、ちょいと抜粋してみました。

--------------
「 病院に飾る絵の話をしようか。最近は母に付き添ってよく病院に行く様になっただろ、だからこんな話をお医者さんから聞いた。病室にはね、決して甘くてちゃらちゃらした絵は飾ってはいけないんだそうだ。明るい、健康的な絵はかえって逆効果なんだそう。その色彩や画風の向こう側に何かある、と思わせる絵じゃなければいけないんだって。患者がふっと考えてしまうような絵、考えさせるようなメッセージを含んだ絵でなければ患者は生きることへの努力を始めないんだって。なるほど、と思わない?

 生命力の不思議だね。ちょっと何かを投げかける絵だと、患者はそこに生きるヒントのようなもの、あるいはさりげない希望の糸口を見いだそうと頭を働かせることになって、前を向こうとするんだと思う。」 (「愛を下さい」より抜粋)

-----------------



落ち込んでいる人に「がんばれ」と言っても逆効果だったりする。
「気にしないで」「みんなそうだよ」なんて言われても、励まされるどころか孤独を増してみたりする。

人って、正解軸を示されたらそれだけ苦しんだりして、心の根源は、そんな不可思議なところにあったりする。

そのことを上手に現していて、またそれが絵の話だもんだから、とっても面白く読んだ。

それと、彼の作品は結末よりも、読んでる過程が楽しい。
スポンサーサイト

コメント 0件

コメントはまだありません

コメントをどうぞ